ロードランナーについて

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* Lode Runner - Copyright 1983 Douglas E. Smith


公的な歴史
原型はPrime550やVAX向けに、大学内で楽しむため、Doug Smith氏の手によって開発されており、Lode Runnerという名前で市販されたのはApple版が最初、BroderBund Softwareより。以後IBM-PC、日本の各種PC多数、ファミコン用などに移植され、ゲーム性はやや変えられたもののアーケードにまで移植されました。パソコンゲームからアーケードへの移植は当時は珍しいことでした。大ヒットしたゆえに、このゲームに似せたものも会社・個人から数多くリリースされ、前者はFunky Monkey (Pinky Soft ?)といった商品として、後者はベーマガやテクノポリスなどの雑誌に投稿リストが掲載され、それぞれ出回っていました。また面データのみを多数作成し、それを売るといった商売も数多くありました。雑誌にも投稿面(Bug News、遊撃手 - BNN)や詰めロードランナー(テクノポリス - 徳間書店)の記事などがよくありました。また、NEC PCシリーズへの移植を手がけた株式会社システムソフトにてファンクラブも創設され、同社からはロードランナーファンブック(1985年)も刊行されサポートされました。
その後、90年代に入っても、やはりややゲームシステムが変わった新作、Legend returnsがWin16版、PlayStation版などとしてリリースされ、最近でも3D化され、グラフィックも美しくなったロードランナー2がリリースされていますが、初代と比べるとそれら最近のものはゲームデザインが変わっており別物といえるでしょう。

私的な歴史
最初にこのゲームを知ったのはアップル版の紹介記事でした。当時中学生だった自分から見ると、アップルIIといえば非常に高価で縁遠いものでした。一部のパソコンショップにしか置いておらず、それも地元の大学生がいつもとり囲んでおり身近ではありませんでした。日本にも8ビットPCは多くの種類出ていましたが、ゲームの量・質に関してはアップル版が抜きん出ていました。まあ、一部パソコン(当時はマイコンとも言っていた)雑誌などではまあ過大評価・神聖化していた風ではありましたが、実際、Wizardry、Ultima、Pinball Construction Kit、ZAXXON、Zorkなど各ジャンルのソフトが揃っていたのは事実です。その中の1つがLode Runnerでした。画面写真を見ただけで大体のゲーム内容が分かり、面数は当時としては破格の150面と言うだけで、アクション&パズル好きの自分としては非常に興味が湧きました。とはいえ高嶺の花のアップル版、まあ自分に遊ぶ機会は来ないなと同時に思いました。当時メインで使っていたNEC PC-8001ではグラフィック能力にも限界があり移植も期待できませんでしたし。その後、福岡のソフトウェア会社、システムソフトがBroderBundのゲームの移植のライセンスを取得。Choplifter、David Midnight MagicとともにLode RunnerもNEC PC向けにリリースされるということを知り歓喜。そして、買いました、PC88版。技術力にはもともと定評があった同社だけあってか、移植は(あくまで想像ですが)本家を凌いでいるのではという程素晴らしく、全面あっという間にクリアしました。そして面作成なども数多く行ない、一部で盛り上がった詰めロードランナーにハマりました。その後、しばらく新作というものは出なかったのですが、1994年に米国Sierra社よりThe Legend ReturnがPC向けにリリースされ、当時米国に住んでいたこともあり即購入、徹夜で一気に新作の全150面を解きました。昔と違い、今は面作成はする気はないですが、未だ倉庫番などと共に、リリースされたら征服したい(笑)というソフトの1つです。

解法・ヒント
誘導 敵(番兵)は自分(兵士)に対し、上下左右どの位置にいるかによってどう動くかをロジカルに決めます。基本的に敵は自分を追いかけて来るのですが、自分がハシゴ上にいる時は自分の上下位置により、敵はアクションを変えるケースがあります。これもロジックに基づく行動で、慣れるとある程度意図的に敵をある方向に導くことが出来るようになります。そのような操作一般を誘導といいます。
頭越し 敵に触れると基本的にミス、死ぬわけですが、敵の頭上に自分が落ちた場合、左右のキーを押していればミスすることなくそのままその方向へ移動できることがあります。NEC PC版ロードランナーではタイミングが悪いと死にますが、FC版では死ぬことはありません。逆にタイミングさえよければ1マス空いた同高度のブロック上へさえ、手前に敵が落ちてきた場合、頭上を駆け抜けて行くことが可能です。これを(番兵の)頭越しといいます。初代64面はこのテクニックが必須です。
金塊運ばせ 初代148面や前述の64面などに見られますが、ハシゴも届いてないよな高い所に金塊が並べられているケースがあります。普通に考えればこれらは獲れませんが、敵は金塊を一定期間持ち運ぶことができるという仕様を利用すれば間接的に獲る、つまり奪うことが可能なわけです。敵を殺せば新たな敵は上(初代は上から2段目の空白部)から再生するので、敵を殺しまくり、金塊上を通らせ抱えていってもらうことを繰り返せば、全部の金塊を回収することができるわけです。これを金塊運ばせといいます。
デッドロック 例えば初代4面の中央上部の(3D的に見ての)閉空間などに敵が陥った場合、敵は(同高度の地続き部に自分がいたり、ハシゴが閉空間ないにある場合を除き)動かなくなります。これをデッドロックといいます。このような状態の敵に対しては自分は安全です。ちなみにアーケード版では敵をこの状態にすることによりボーナスが入ります。
時間差掘り 詰めロードランナーの基本テクニック。初代でも86面左下部の金塊を獲るために必要です。縦に連なったブロックを連続で掘れば、しばらくして上から順に再生してきます。このような連続掘りの際、わざと後に掘る下の方のブロックを上のブロックが再生する直前まで待って掘ることを指します。これを行なうと上のブロックが元に戻り、その下のブロック部が空白という状態が長く続くので、例えば一番上のブロック部を駆け抜け、金塊を獲った後、未だ空白部の下部ブロックの所から戻ってくるという事が可能なわけです。
さらに詰めロードランナーでは、上を掘り、上が再生する直前に下を掘る、更に若干間をおき上を掘ることにより、下から順に再生するといった状態を作らないと解けない面が多数あります。難しいのになると2段どころではなく3、4段も下から上へブロックが復活するような状態を作らないとクリアできない面もあります。

回想
ここでは思い出の面、お勧めの面を挙げています。

初代9面 お城の形、面自体大した事はない(とはいえ掘り方に少し工夫が要る)が、Apple版が出た頃、雑誌の紹介記事によく出ていた面なのでよく覚えています。NEC PC版でやったときは右下部のハシゴからバーに移動するときにハシゴを降りすぎ下に落下、敵にやられるというのをよくやってしまいました。
初代52面 ほとんど掘れない岩だけの面。こういう面は好きで、クリアした時なんかは本当に「解いた」って気になります。
初代54面 下から上へ画面一杯ジグザグ駆け上がるという、誰もがきっとあるんだろうなと思う面。35面も同様ですが、こっちの方が随時5人の敵を相手にしなければならないので面倒です。敵を殺せばまた上から復活するので、何人かは(最終的には全員)穴に落として追い越していかねばならないのですが、状況に応じた見極めが難しいです。
初代56面 UWの形がブロックでデザインされた面。敵を殺せば簡単にデッドロックできるのだが、一番右のくぼみの金塊を獲り終えないうちにそこに敵を落とすとクリア不可能なので、注意が必要なのです。
初代64面 頭越しと金塊運ばせ必須の面。これを最初に雑誌の記事紹介で見たときは思わず「無理!」と思いました。初代では一番のお気に入りの面です。
初代85面 一目見て倉庫番を思い出した面。同128面も同様です。倉庫番2に実際ある面と同じに見えるのですが..ただそれだけ。
初代86面 DGC(何?)の字をデザインした面。解法・ヒントの所でも書いたのですが、時間差掘りが必要な面。これも雑誌の紹介記事でその左下部金塊の獲り方の説明付きで載っていたのを見たことがあります。
初代103面 時々ありましたね。金塊全部獲った途端現れるハシゴでデッドロック状態の敵が復活しやって来る面。これが正にそれです。
初代109面 初代全150面の中には苦手な面は幾つか(例えば140面)ありましたが、これも苦手でした。ハシゴやら岩で画面がごちゃごちゃしてて、操作しづらい、敵との実際の距離関係が把握しづらい等で苦労したのを覚えています。
初代136面 この面と137面、148面は金塊運ばせがメインの面。同じような面を終盤にまとめて置かないでもよいだろうにと思った。
Champ2面 音符と五線譜がデザインされた面。掘れる所がないわ、敵は5人もいるはでかなり厳しい。これで挫折した人も多いと思う。
Champ3面 完全なアクション面。敵をうまく誘導、振り回すだけの指先のテクニックが必要です。
Champ18面 "Trap!"とデザインされている通り、やらない限り分からないトラップだらけの面。エディタで見ると超笑えます。ちなみに金塊を全部獲るとハシゴで書かれた"Sorry."という字が現れます。(笑)

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